プレスリリース詳細

クリーンエナジー(Clenergy)の次世代農業型太陽光発電システムが、令和6年度「新エネ大賞※1」の「分散型新エネルギー先進モデル部門」において、「 新エネルギー財団会長賞」を受賞しました
2025年3月13日
クリーンエナジー(Clenergy)とパートナー企業である出光興産株式会社の「次世代農業型太陽光発電システム」— クリーンエナジー デジタルインテリジェント太陽光追尾システム ezTracker D2P120 — が「新エネ大賞※1」の「分散型新エネルギー先進モデル部門」において、「新エネルギー財団会長賞」を受賞しました。「農業と再生可能エネルギー発電の両立」を目指すことが可能であることを示し、農業用太陽光発電分野における弊社技術に期待が高まります。
このシステムは、AIによるインテリジェント追尾アルゴリズムを活用し、太陽光発電と農業生産の両立を実現、これにより農地のハイブリッドな活用を促進、土地資源の付加価値を高めます。農業とグリーン電力発電の両立による経済的効果を高めるだけでなく、エネルギーの抑制と排出削減にも効果が期待できます。
※1 新エネ大賞:一般財団法人新エネルギー財団が主催する、新エネルギー等の導入促進を図る ことを目的とした新エネルギー等に係る機器の開発、設備等の導入、普及啓発、分散型エネルギー の活用および地域に根ざした導入の取り組みを広く公募し、優秀な事例を表彰するもの。
新たなるステップへ
現在、クリーンエナジーのデジタルインテリジェント太陽光追尾システム ezTracker D2P120 は、千葉県木更津市の45KWの実証実験サイトにおいてご採用いただいております。このサイトで収穫された米は、収量・品質に問題なく、また農学系大学、日本穀物検定協会の評価において、通常の稲作の米と遜色ない出来栄えと確認されており、今春で3回目の田植えの時期を迎えます。
この実証実験での知見を基に、出光興産株式会社による日本初の2MW規模による次世代営農型太陽光発電所建設に向け、2月26日に地鎮祭が執り行われました。このプロジェクトは、実験機との遜色ない営農及び発電が可能かという事業性の確認などの実証が行われる予定です。
スマートトラッキング/農業と太陽光発電の両立
農業と太陽光発電を両立する為には、それぞれが充分な太陽光を享受するという、相反する問題を解決する必要があります。一軸型の太陽光追尾の発電システムは以前からありますが、発電を目的としている為、太陽に向けて動くパネル後方には陰が発生するのが常識でした。本デザインの基本動作(生育モード)は、パネル端部を逐次太陽に向ける(発電とは90度向きが異なる)事により、太陽光の殆どを優先的に作物に照射します。このため、生育期間の発電量は少なく、休閑期間は多くの発電をすることになります。稲のような夏作物の農地の発電量は、春夏:少、秋冬:多となります。一方、麦の様な冬作物の農地の発電量は、秋冬春:少、夏~初秋:多となります。発電量が季節毎に大きく異なる課題は、この夏作物の農地と冬作物の農地の双方に本デザインを設置する事で解決し、1年を通じた発電量を平準化しつつ、それぞれの季節の作物の生育を可能にします。
<東西に回転する一軸可動のパネル構造で、4種の動作モード >
生育モード:作物への日射を優先させる為に、パネルの陰が常に細くなる向きで太陽の移動に合わせて動きます。
水平モード:農機具の走行を可能にし、日陰を作り農作業者の熱中症対策、冬季は霜が降りることを防止します。
強風退避モード:強風を感知した際、パネルを安全な角度に自動で退避します。
発電モード:休閑期はパネルを太陽に向け、発電量を最大にします。
設計のポイント:
1)太陽光発電パネルは太陽に向けると言う常識を覆し、作物を生育する期間は太陽光が素通りする向きにパネルを動かします。
2)太陽光発電パネルの水平モードは農機具が走行可能、夏季はその陰が従事者の熱中症対策となり、冬季は霜が降ることを防ぎます。
3)太陽光両面発電パネルの裏面が、地表面・農作物からの反射光をもあますことなく利用し、生育期間でも発電量を多くします。